「食べたらすぐ歯をみがきましょう」と言われますが、なぜなのでしょうか。その答えを示してくれるのが「ステファン曲線(Stephan curve)」というグラフです。ステファン曲線を見ると、甘いものをダラダラ食べることがどれほど歯に悪いかがよくわかります。
食べると口の中は酸性に傾く
食事やおやつを食べると、口の中の細菌が糖を分解して「酸」を作り出します。この酸によって歯の表面(エナメル質)が溶け始める現象を「脱灰(だっかい)」と呼びます。ステファン曲線では、食後すぐにpH(酸性度)が急激に下がり、pH5.5を下回ると歯が溶けるゾーンに入る様子が示されています。特に、間食や甘い飲み物を少しずつ長時間とると、pHが低い状態が続き、虫歯のリスクが一気に高まります。

唾液の働きで歯は回復する
幸いなことに、私たちの口の中には「唾液」という強い味方がいます。唾液には酸を中和する働きがあり、カルシウムやリンなどの成分を補って「歯を修復(再石灰化)」する力があります。
ステファン曲線では、食後しばらくしてpHがゆっくり上昇し、再び中性(pH7前後)に近づく様子が描かれます。つまり、唾液がしっかり働いていれば、脱灰で失われた部分をある程度取り戻すことができるのです。
虫歯予防のポイントは「時間」と「回数」
虫歯予防で重要なのは、「何を食べるか」よりも「どのくらいの頻度で食べるか」です。歯が酸にさらされる時間を短くし、再石灰化の時間を増やすことが虫歯予防につながります。具体的には次のような習慣を意識しましょう。
・甘い飲み物を少しずつ長時間飲まない
・食事やおやつの間隔を2〜3時間あける
・食後はフッ素入り歯みがき剤でケアする
これらを意識するだけで、ステファン曲線の「危険ゾーン」にいる時間を減らせます。
ステファン曲線が教えてくれること
ステファン曲線は、「食べる→酸性に傾く→唾液で中和して戻る」というお口の中の自然なリズムを示しています。このリズムを崩すのが、「甘いものをダラダラ食べる習慣」です。間食を控え、唾液がしっかり働ける時間を確保することが、虫歯を防ぐ一番の近道です。
曽我歯科医院三軒茶屋より
曽我歯科医院三軒茶屋では、虫歯予防・歯周病ケア・インプラント・審美歯科まで幅広く対応しています。
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