一つひとつの治療に真摯に向き合いたい

10年先も見据えた治療を

2025.10.15更新

こちらの患者様は、「右上の前歯が折れてしまった」とのことで来院されました。

前歯のインプラント術前
硬いものを噛んだ際にご自身の歯が破折しており、裏側には大きな割れ目が確認できました。
歯はグラグラと動揺し、残念ながらこのままでは安定して噛むことができない状態です。
このように歯が割れている場合、まずは歯を保護するための応急処置を行います。

隣の歯と接着剤で一時的に固定し、痛みやぐらつきを抑えた状態で精密検査を進めました。

インプラント前歯
CT撮影を行うと、割れ目が歯根の深い部分まで達していることが分かりました。
このようなケースでは、差し歯(クラウン)などの保存的治療では改善が難しく、
抜歯を前提とした治療計画が必要になります。
患者様に状態を丁寧にご説明し、十分なご理解とご同意をいただいた上で、
抜歯即時インプラント治療を行いました。

抜歯即時埋入インプラント

抜歯と同時にインプラントを埋入することで、
骨の吸収を最小限に抑えながら見た目と機能を早期に回復できます。

抜歯即時埋入インプラント
治療後は仮歯を経て、最終的に自然な色調のセラミッククラウンを装着し、
周囲の歯と調和した仕上がりになりました。

 

曽我歯科医院三軒茶屋では、このような前歯のインプラント治療も行っております。見た目の自然さや審美性が求められる前歯部では、骨や歯ぐきの形態を保ちながら治療を進めることが大切です。

 

当院では、状態に応じて抜歯即時埋入などの手法を用い、できるだけ骨の吸収を防ぎながら、見た目も機能も両立する治療を心がけています。CTによる精密診断とガイドシステムを併用することで、患者様の負担を最小限に抑えながら、安全で正確なインプラント治療を提供しています。「歯が折れてしまった」「前歯を自然に回復したい」そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

※本症例は患者様の同意の上掲載しております。本治療は自由診療です。治療費:528,000円、治療期間:8ヶ月、リスク:手術後に歯茎の痛みや腫れが出ることがあります。定期的な検診・クリーニングを行わないとインプラント周囲炎を起こすことがあります。

 

 

 

曽我達彦 院長

この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

投稿者: 曽我歯科医院三軒茶屋

2025.10.13更新

歯茎の腫れは、「疲れかな」「そのうち引くだろう」と放置されやすい症状です。しかし実際には、歯や歯ぐき、さらには全身の状態が関係していることもあります。
今回は、歯茎が腫れる主な原因を、歯科医の立場からわかりやすくご紹介します。

 


 

1.歯肉炎・歯周炎

もっとも一般的な原因が歯周病(歯肉炎・歯周炎)です。
歯と歯ぐきの境目に細菌のかたまり(プラーク)が付着すると、歯ぐきが炎症を起こします。
初期の歯肉炎では赤く腫れたり出血したりしますが、放置すると歯を支える骨が溶けてしまう「歯周炎」へと進行します。
痛みが少ないまま進むため、定期的な検診とクリーニングが重要です。

 

2.根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)

虫歯が神経まで進行すると、歯の根の先に膿がたまり、歯茎が腫れることがあります。
歯ぐきにニキビのような膨らみができたり、噛むとズキズキ痛むのが特徴です。
治療は根管治療(歯の根の中をきれいにする治療)が中心で、重度の場合は外科的処置を行うこともあります。

 

3.歯根破折(歯の根が割れる)

神経を取った歯は脆くなりやすく、強い力で割れてしまうことがあります。
歯の根が割れると、その周囲に細菌が侵入して腫れや膿を繰り返します。
多くのケースで抜歯が必要ですが、インプラントやブリッジなど次の治療法を早めに相談することが大切です。

 

4.親知らず(智歯周囲炎)

親知らずの周りは歯ブラシが届きにくく、細菌がたまりやすい場所です。
特に一部だけ歯ぐきがかぶっている半埋伏の状態では、智歯周囲炎と呼ばれる炎症を起こします。
顎の痛みや口が開けづらい、リンパの腫れを伴うこともあります。
再発を繰り返す場合は、抜歯が推奨されます。

 

5.噛み合わせや外傷による炎症

硬いものを噛んだり、強い咬みしめや歯ぎしりなどで、特定の歯に過度な力がかかると歯の周囲組織が炎症を起こします。
見た目に腫れが出ることもあり、治療は咬合調整やマウスピースなどで負担を減らします。

 

6.薬の副作用(薬剤性歯肉増殖症)

降圧薬(カルシウム拮抗薬)や免疫抑制薬、抗てんかん薬などの副作用で歯ぐきが腫れることがあります。
歯ブラシだけでは改善しにくく、服薬内容の確認や主治医との連携が必要になります。

 

7.全身疾患(糖尿病・血液疾患など)

糖尿病のある方は、歯周病になりやすく治りにくい傾向があります。
また、白血病など血液の病気の初期症状として歯ぐきの腫れ・出血が見られることもあります。
歯ぐきの腫れが長引く場合、全身的な原因を調べることも大切です。

 

8.義歯や被せ物による刺激性炎症

合わない入れ歯や被せ物が慢性的に歯ぐきを刺激すると、局所的に赤く腫れることがあります。
放置すると線維性の盛り上がり(過形成)を起こすこともあり、調整や再製作が必要です。

 

9.その他の粘膜疾患(腫瘍・嚢胞など)

歯や歯周病とは関係のない粘膜疾患が原因となることもあります。
良性の嚢胞(のうほう)や線維腫、まれに腫瘍性の病変が見つかることもあります。
見た目では判断がつかないため、レントゲン・CT・生検による診断が欠かせません。

 


 

まとめ

歯茎の腫れは、歯周病や虫歯だけでなく、噛み合わせ、薬の副作用、全身疾患など多くの要因が関係しています。
軽い症状でも放置せず、歯科医院での正確な診断を受けることが大切です。

三軒茶屋の曽我歯科医院三軒茶屋では、歯周病治療から根の治療、外科的処置まで幅広く対応しています。
気になる腫れや違和感がある方は、お早めにご相談ください。

 

 

曽我達彦 院長

この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

投稿者: 曽我歯科医院三軒茶屋

2025.10.06更新

インプラントは本当に必要なのか?」
「やっぱりやらない方がいいのでは?」
患者さんからよくいただくご質問です。


結論から言えば、インプラントは万能ではなく、天然歯に勝るものはありません。
それでも、歯を失ったときに他の選択肢では支障が大きい場合、やむを得ず選ばれる治療法なのです。

インプラント


天然歯に勝るものはない
天然歯には 歯根膜 という特別な組織があり、噛む感覚を繊細に伝える役割を果たします。
また、歯周組織や骨との自然な結びつきは非常に強固で、人工物では完全に再現できません。
つまり、本当は自分の歯を残すことが最も望ましいのです。最優先は予防であり、天然歯を残すことです。
インプラントはあくまで代替手段であり、必要に応じてやむを得ず検討される治療と考えるのが適切です。


他の治療法と比較してみる


・ブリッジ
メリット:保険が使え、治療期間も短い。外科処置も不要。
デメリット:健康な隣の歯を削る必要があり、支台歯への負担が将来的に問題になることがある。


・部分入れ歯
メリット:外科手術が不要で、比較的安価。残っている歯をあまり削らずに済む場合がある。
デメリット:違和感が出やすく、噛む力が弱い。見た目や発音に影響することもある。


・そのまま放置
メリット:治療の手間も費用もかからない。短期的には不自由を感じない場合もある。
デメリット:時間の経過とともに隣の歯が倒れ込んだり、噛み合わせが崩れたりして、結果的に他の歯まで失う恐れがある。


インプラントが「やむを得ず」選ばれる理由
他の方法にも良い点はありますが、インプラントには
・隣の歯を削らずに済む
・噛む力を取り戻せる
・見た目が自然で違和感が少ない
・噛み合わせを長期的に維持しやすい
といった特徴があります。
もちろん、外科処置や費用、清掃管理などのデメリットも存在します。
そのため、誰にでも積極的に勧める治療ではなく、他の方法では対応が難しいときに、やむを得ず選択される治療法です。

手術
まとめ
インプラントは天然歯に勝るものではなく、万能でもありません。まず、最優先されるのは天然歯を残すことです。
ブリッジ・入れ歯・放置など、他の方法にもメリットとデメリットがあります。
その中で 「やむを得ずインプラントが最も適している」と判断される場合 に治療の選択肢となります。


歯を失ったとき、どの方法がベストかは人それぞれ異なります。
当院では、ブリッジ・入れ歯・インプラントのすべてについてご説明し、患者さまと一緒に「本当にやむを得ないのか」を考えながら最適な治療を選んでいます。


三軒茶屋でインプラント相談なら曽我歯科医院三軒茶屋へ
インプラントは避けられればよい治療ですが、やむを得ず必要になるケースもあります。
当院ではそれぞれの治療法を丁寧に説明し、患者さまが納得できる選択をサポートしています。
「やむを得ずインプラントが必要かもしれない」と感じている方も、まずはお気軽にご相談ください。

曽我達彦 院長

この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

投稿者: 曽我歯科医院三軒茶屋

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