一つひとつの治療に真摯に向き合いたい

10年先も見据えた治療を

2025.08.18更新

1. 「フッ素」という言葉の誤解
近年ニュースなどで「PFAS(有機フッ素化合物)」の環境汚染が話題になっています。
この影響で「フッ素=体に悪いのでは?」と心配される方が少なくありません。
しかし、歯科で使われるフッ素とPFASはまったく異なる物質です。


2. 歯科で使うフッ素とは?
歯磨き粉やフッ素塗布で使われるフッ素は、正しくは フッ化物(フッ素イオンを含む無機化合物) です。
歯のエナメル質を強くする
初期の虫歯を修復する(再石灰化作用)
虫歯菌の活動を抑制する
といった効果があり、世界中で虫歯予防の基本として使われています。
歯科で使用するフッ素は、自然界の水や食べ物にも含まれている成分であり、適切な量であれば安全です。


3. PFAS(有機フッ素化合物)とは?
PFASは「人工的に作られた有機フッ素化合物」の総称です。
・撥水加工、消火剤、フライパンのコーティングなどに使われる
・自然界で分解されにくく「永遠の化学物質」と呼ばれる
・環境汚染や体内残留が問題視されている
つまり、PFASは 産業用途の化学物質 であり、歯科のフッ素とは構造も性質も異なります。


4. まとめ
ニュースで話題のPFASと、歯科で使われるフッ素は 名前が似ているだけで、まったく別の物質 です。
安心してフッ素入り歯磨き粉を使い、虫歯予防に役立ててください。

 

曽我達彦 院長

この記事の執筆・監修

曽我歯科医院三軒茶屋
院長 曽我 達彦(そが たつひこ)

日本大学松戸歯学部卒業。
東京歯科大学千葉病院にて歯科臨床研修医修了後、大手医療法人グループに勤務(分院長・理事を歴任)。
2006年に「曽我歯科医院三軒茶屋」を開院。
予防歯科・一般歯科・審美歯科・インプラント治療を4軸に、地域に根ざした包括的診療を行っている。

所属学会:
・日本口腔インプラント学会
・日本顎咬合学会

投稿者: 曽我歯科医院三軒茶屋

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